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2015年 07月 11日 ( 1 )


2015年 07月 11日

2015年7月11日 夏の朝

今日のブログは本の紹介です。「夏の朝」という本は本田昌子さんという方が書かれた児童文学書です。本年度、青少年読書感想文全国コンクールの中学校の課題図書に選ばれた作品です。中学生対象ですが、大人が読んでも読みごたえのある作品でした。夏休み、祖父の一周忌の法要に出席するため、母の生まれ故郷に向かった孫娘莉子(りこ)が祖父との想い出をたどり、不思議な体験をします。亡くなった祖父の家の庭には大きな池があり、蓮の花が咲いています。莉子は法事にいらしていた小夜子おばさんからこんな話を聞きます。「あのふっくりした蓮の蕾の中には何が入っているのか。あなた、ご存じ?あの蕾の中には『想い』が詰まっています。それは言葉になることができなくて、空をさまよっていた誰かの想い。露といっしょに蓮の中にしみこんで根や茎をめぐり、最後にそれは蕾に溜まって、開花とともに再び空へと放たれるのです。受け取ってくれる人が現れるまで、同じことが何度も繰り返されます。それは、喜びや希望にあふれた想いかもしれません。悲しみや苦しみの詰まった想いかもしれません。尊い祈りかも、恐ろしい呪いかもしれません。蓮の蕾が開く時、ぽん、と音がして、その音を聞いた人だけが、そこに入っていた想いを受け取ることができるのです。」蓮池の前で莉子は亡くなった祖父と再会します。逢うたびに祖父は若くなっていきます。ファンタジックなお話ですが、祖父と莉子との深い絆が美しく描かれています。この本の素晴らしさは自然描写がとても丁寧な言葉で表現されおり、心の中に沁みてきます。また、木村彩子さんの表紙の絵や文章中の挿絵が読者を優しい気持ちにさせてくれます。人と人とのつながり、家族への愛を感じることができるお薦めの一冊です。
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by yamaboushi53 | 2015-07-11 18:30 | 本・音楽 | Comments(4)