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2016年 02月 13日

2016年2月13日 「蛍の唄」を読んで

今日紹介する本は早乙女勝元さんの書かれた「蛍の唄」という本です。早乙女さんと言えば、画家田島征三さんと一緒に作られた「猫は生きている」という絵本はあまりにも有名です。私もこの絵本を読んだとき、田島さんのインパクトのある絵と早乙女さんの書かれた東京大空襲の様子が記憶に残っています。この「蛍の唄」も東京大空襲をテーマにした長編小説です。主人公のゆかりは高校生。夏休みの課題に国語の小野木先生から「戦争追体験」レポートが出されました。先生はこう言われました。「アメリカの哲学者でサンタヤーナという人が言った言葉があります。『過去の教訓を学ばぬ者は、ふたたび同じ過ちをくりかえす』と。だから、現在から未来を結ぶ平和を考えるために、過去の戦争を主体的に聞いて、書いて学ぼうというわけです。」ゆかりたちは友達と一緒に聞き取り活動を行っていくうちに、伯母の咲子が福住公園のベンチに座り、いつも公園の入口に立っている焼け棒杭を見つめていることに気づく。この焼け棒杭は高さ三メートルあまりの電柱ですが、片面をざっくりとえぐり焼かれて、真っ黒焦げの不気味な一本柱です。そして、咲子はかすかな声で「ほぅ ほぅ 蛍こい」とわらべ歌を口ずさむ。
昭和20年3月10日、東京大空襲のため下町一帯は火の海となった。咲子はこの電柱の立っている場所で自分の娘蛍子を見失う。戦争は終わってしまうが、咲子は毎日のように蛍子を捜しにこの公園で一日の大半を過ごしている。やがて咲子は亡くなり、咲子の弟(ゆかりの父)の勇太から昭和20年3月10日、あの炎の夜に何があったのかを聞くことになる。ゆかりは父から咲子伯母さんの過去を知り、涙する。
「先生、戦争はずっと昔のことですよね。でも、私のまわりの人たち、その過去と切れてないんです。ずっと引きずっているんです。だから、いま平和ですっていうのが、私とても気になって気になって」ゆかりの言ったこの言葉が私の心に残った。
その後、福住公園の入口にあった焼け棒杭の電柱は撤去されるわけたが、ゆかりの父勇太が譲り受け、家の横に立てることにした。そして、ゆかりと弟の進一の名で次のような銘板が添えられていた。
   三月十日の電柱さん。
あなたは、1945年(昭和20年)3月10日の、東京大空襲の生き証人です。あなたは十万人からの命が、どんなに痛ましく奪われたかを、みんな知っています。
電柱さん。
あなたは今、ここから呼びかけてください。
だれもが、平和を守るための努力と、そのための小さな勇気を忘れてはいけない-と。
                               花房ゆかり・進一
この本を通して、東京大空襲の悲惨さを把握するだけではなく、「平和」の意味や「平和」を守るための努力を自分なりに続けていくことの大切さを学ぶことができたと思う。
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by yamaboushi53 | 2016-02-13 18:30 | 本・音楽 | Comments(4)
Commented by 皐月の樹 at 2016-02-13 21:11 x
また素敵な本のご紹介ですね~♪
ホタルの・・・と聞きますと、私は火垂るの墓を思い出します^^;
あれも、戦争のお話でしたね。
平和を守るための努力・・・仰る通りですね。
積極的に、努力しなければ決して平和は得られない・・・そう思います。
日本は幸い先の大戦以降戦争を経験しておりませんが、こちら韓国は、今も休戦状態なのですよね。
一昨日、久しぶりに北がケソン工場団地を凍結させ、国境が閉鎖されました。ものものしい雰囲気で息が詰まりますね^^;
Commented by renchiyan3 at 2016-02-14 05:07
おはようございます
蛍なぜか戦争と結びつく物語多いですね 過去を忘れた
ら未来は無いですね・・・
Commented by yamaboushi53 at 2016-02-14 10:00
皐月の樹さん おはようございます。
私も戦後生まれですので、戦争を知らない世代です。
亡くなった父や母は太平洋戦争を経験しています。昔、父母から戦争中の話を聞きましたが、まだ幼かったので、戦争中の生活がどんなものか理解できませんでした。父は学校での授業が休講となり、爆弾を抱え、敵が攻めてきたら戦車の下に穴を掘り、自爆する訓練をしていたそうです。平和は尊いものです。平和を守るための努力は絶対にしていかなければいけません。
Commented by yamaboushi53 at 2016-02-14 10:07
renchiyan3さん おはようございます。
野坂昭如さんの「火垂るの墓」。いつ見ても涙がこぼれてきてしまいます。清太と節子の顔が頭に焼き付いています。このアニメ、息子と娘といっしょに観ましたが、息子は妹を節子のように感じたのか、涙で顔がぐちゃぐちゃでした。今ある「平和」をこれからも大切にしていかなければいけません。


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