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今日の風に吹かれましょう

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2014年 09月 21日

2014年9月21日 彼岸花とごんぎつね

逢妻女川河川敷の彼岸花も綺麗に咲き始めました。今日の新聞によると、来週になると満開になることが報じられていました。私は毎日、彼岸花を見ながらウォーキングをしていますが、歩くたびに新美南吉さんの「ごんぎつね」の物語を思い出します。「ごんぎつね」は小学校4年生の国語の教科書に掲載されている物語文で全国の子どもたちが学習に取り組んでいます。なぜ彼岸花とごんぎつねなのか、その訳は本文の中の次の文章からです。
「お昼が過ぎると、ごんは、村の墓地(ぼち)に行って、六地蔵(ろくじぞう)さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向こうには、お城の屋根がわらが光っています。墓地には、ひがん花が、赤いきれのようにさき続いていました。と、村の方から、カーン、カーンと鐘(かね)が鳴ってきました。そう式の出る合図です。
 やがて、白い着物を着たそう列の者たちがやってくるのがちらちら見え始めました。話し声も近くなりました。そう列は墓地へ入っていきました。人々が通った後には、ひがん花が、ふみ折られていました。」
なぜかこの文章が頭に焼き付いており、彼岸花イコールごんぎつねとなってしまうのです。このお話は兵十のおっかあを病気で死なせてしまった責任は自分のいたずらであったと反省したごんが兵十にいろいろな償いをするわけですが、お互いの気持ちが初めて通いあったのはごんの死の直前であったというやるせなく、切ないお話です。クライマックスの場面の文章も掲載しておきます。
「その明くる日もごんは、くりを持って、兵十の家へ出かけました。兵十は物置でなわをなっていました。それでごんは、うら口から、こっそり中へ入りました。
 そのとき兵十は、ふと顔を上げました。と、きつねが家の中へ入ったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがった、あのごんぎつねめが、またいたずらをしに来たな。
 「ようし。」
 兵十は、立ち上がって、納屋(なや)にかけてある火なわじゅうを取って、火薬をつめました。
 そして足音をしのばせて近よって、今、戸口を出ようとするごんを、ドンとうちました。ごんはばたりとたおれました。兵十はかけよってきました。家の中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるのが目につきました。
「おや。」と、兵十はびっくりしてごんに目を落としました。
「ごん、お前だったのか。いつもくりをくれたのは。」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました

 兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。」
私はこの物語からいろいろなことを教えられました。兵十とごんの心境を対比させながら考えていくと、最後の場面があまりにも悲しく、もどかしく思えてならないのです。昔読んだ心に残る文学をもう一度読み返してみることもいいことだと思います。読書の秋、最近忙しさにかまけて、活字離れをしていますので、本と仲良くなろうと考えております。
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by yamaboushi53 | 2014-09-21 14:31 | 自然 | Comments(6)
Commented by renchiyan2 at 2014-09-22 05:16
おはようございます
彼岸花って何故かいろんな物語引き出すみたいですね 百恵ちゃんの
歌が聞こえてきそう・・・
Commented by blackfacesheep at 2014-09-22 10:48
逢妻女川の彼岸花、律儀にもお彼岸に満開になりそうですね。
私も新見南吉さんのごん狐は大好きなお話なんであります。
彼岸花、愛知県では新見南吉さんの故郷である半田の矢勝川が有名ですね。
南吉博物館の近くはこの季節、200万本の彼岸花で埋め尽くされます。
でも、逢妻女川も負けてませんよね、確かもう100万本ぐらいに増えたんじゃないかな。
地元の方々のご努力、頭がさがります~♪
ブログ写真、素敵な構成ですね・・・新聞記事から始まり、そして写真へと続きます。
いろいろ考えながら撮っていらっしゃることがわかる、素敵な写真ですね♪
Commented by maruru♪ at 2014-09-22 12:55 x
ごんぎつねのお話の切なさを、小4の時に読んだロミオとジュリエットで感じた事を思い出しました。設定は日本と外国で、全く違うのですが、ちょっとした勘違いやすれ違いから悲強い結末に…。もどかしくて、その場に行って教えてあげたい!と小4の私は真剣に思っていました。
今の子はロミオとジュリエットもなんとなく知っていても実際に物語を読んだ事がないんでしょうね~
これを書いていたら、もう一度読み直したくなりました。大人になった私はどんな感覚で物語を読んでいくのか…。今度トライしてみます。
Commented by yamaboushi53 at 2014-09-22 17:33
renchiyan2さん 今晩は
そうですね。山口百恵さんが曼珠沙華(まんじゅしゃげ・まんじゅしゃか)という題の曲を唄っていたことを思い出しました。ブログの写真でもおわかりのように、彼岸花は赤色のイメージでしたが、最近では白い色の彼岸花も咲くんですね。
Commented by yamaboushi53 at 2014-09-22 17:43
黒顔羊さん 今晩は
本当に逢妻女川の彼岸花はとても有名になり、
先週の土曜日からたくさんの方がおいでになっ
ております。明日はお茶会もあるので、たくさん
の人出になりそうです。早速、新美南吉記念館と
矢勝川の彼岸花、HPで確認しました。矢勝川の
彼岸花も凄いですね。
Commented by yamaboushi53 at 2014-09-22 17:56
maruru♪さん 今晩は
maruruさんは小学校四年生のときに「ロミオとジュリエット」を読んだのですか。読書大好き少女でしたね。私は恥ずかしながら高校一年生の時です。当時、映画も大流行でオリビア・ハッセーという女優がジュリエットの役を見事にこなしました。とても可愛く、男子高校生の憧れの的でした。今で言えばアイドルでしたね。maruruさんが言われるように昔読んだ本を再度読み直すと違った想いや感情が湧くと思います。私も大学時代に読んだ本を電子書籍で購入し、読み始めています。


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